こないだ正月に親戚のおじさんが、病院に来て
病院の窓から見える風景にこんな問いを私に投げかけた。
『由季、あの3つは鳥かね?』
あの3つ…
あの3つと言いながら指差したのは
どうやら、目の前にパノラマに広がる風景の中の何か。
私から
向こうの山々までにあるもの
病院→駐車場→土手→一級河川鏑川(向こう岸まで50メートル以上)→土手→道路→工場→町→家→家達→山々(うすらぼけてます)
『おじさん、あの3つって言っても分からないよ。』
『あそこだよ、あそこ、3つあるじゃない、あれ鳥かな?全然動かないよ。』
『………、おじさん、あれって言っても全然分からないよ、どのあれ?』
『あれだよ、あれ、由季は何で見えないんかい(群馬弁)?川の中に3つ、黒いのと茶色いのとあるだろう??』
『………、おじさん、川だってこんなに広いよ、じゃあ、川の中にある石を言ってるんだね?』
『だからそれが鳥かどうか見てって言ってるじゃないか!由季は馬鹿だなぁ!』
『…………、おじさんの説明が悪いんだよ、こんな広くてあれなんて言っても分かる訳無いじゃないか!』
『あれだって!あれ!!…えっ?由季にはあれが見えないんかい?』
『…………………………、分かった、分かった。
じゃあその、あれがどこにあるかまず教えて。
あのテトラポッドの小さいぶつぶつみたいのが、こちら岸から向こう岸にあるよね?その真ん中あたりから一本の筒というか溝みたいのが上流に向かってあって、その途中で一段階上がっていて、そこにある3つの塊の事を言ってますか?』
『違うよ!!由季はどこ見てるん!あれだって?何で分からないの?こっちから見てみたら分かるよ』
『…………(渋々10センチくらい右に移動)………………………………いや、分からないよ。あれって言われても』
『えーーー????何で分からないの?あれって言ったらあれしかないじゃん、あの土手のすぐ下のここからみた延長線だよ!』
『………………………………………………あれかな?あの奥から大きいのと真ん中が中くらいで』
『なぁに、言っているん、由季!!!違うよ!!!!!!』
『静かにして!!!』
(しばし沈黙)
『…………違うって。あの3つだよ。あの白い車のすぐ向こうにある3つだよ』
『……(やっぱり先刻、言ったやつじゃないか!!)…………………分かったよ、おじさん。奥にあるのが白くて真ん中のが…』
『なーに言ってるん、白くなんかないよ〜』
『白いって!』
・・・・・・・・・何でもいいから
初めに鳥って言っておけば良かった。
年初めに不毛な言い争いでした。