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『依子の毎日』 第二十話  
12月28日-南浦和-


街は年の瀬、と言うよりいよいよ新春を迎える空気が流れた。


先週日曜日は、表参道まで靖史とイタリアンを食べに行き、夫婦として初めてのクリスマスを楽しんだ。


昼の時間は先週出来なかった大掃除の残りに時間を費やし、今しがた夕飯の後片付けも終えた。


いつもはもう少し早い時間に二人で食べるのだが

今日は靖史の仕事納めの忘年会があり依子一人での遅めの夕飯となった。



時計は23時を少し越えていた。


無茶してお酒を付き合う人ではないが
あまり強くないので、大丈夫だろうか…

と依子は少し心配していた。



二人が結婚して半年経つ。



結婚式の時に母が厭味の様に靖史に言っていた言葉をふと思い出した。


『良くぞ決心してくれましたね』




……同感。


依子も自分の性格の面倒くささを恨む時がある。



だから、極力、人には関わらない様に、自分の気持ちは完結する様に過ごしてきた。



今年は初めて靖史の実家で家族と過ごす。


何を着て行くべきかな、と頭の中で自分の着せ替えを想像し始めた。




ちようどその時、

テーブルの上にあった依子の携帯電話がなった。


1コール。


そして切れた。



着信を見ると靖史からだった。


間もなく、扉の鍵が開く音がした。


ガチャ。



「ただいまー」
靖史の声が聞こえた。


「お帰りなさい。」
習慣的に依子は言って立ち上がった。


玄関でコートを脱ぎながら靖史は、目で合図した。

「これ、忘年会でなんか貰ってきた」

依子は、そう言って床に置かれた紙袋に目をやった。



「いやぁ、寒かったよ。外に出た時に酔いが一気に醒めるね」

「そうだよね、暖かいでしょ、お部屋、入っておいで」

そう言って腰を屈めた時、靖史の胸元を鼻がかすめた。


「部長がさ、来年度から新しい部署のチーフの下に僕を付けたいって言うんだよ。」


そう言いながら居間へ歩いていく靖史。


「ようやく最近、ちょっと早く帰れる様になったのに、また遅くまで会社にいないといけなくなるかも」


靖史の胸元から
今までかいだ事のない、靖史の匂いがした。



「それがさ、向こう側のペースで話を進められちゃってさ、こっちが口を挟む隙もないの」



依子は神経を集中させ現在起きている出来事を反芻させる。






「………依子?……聞いてる?」






ブルガリのクリスタイン。


女ものの

香水だ。




依子の目が大きく開いた。



「依子?どうかした?」



つばを飲み込んだ。


息を整えた。



それが想像を越える苦しさだった。





とりあえず頷いた。


「どうしたの?依子」


靖史には疑うべき余地がない。


「依子。」

でも嗅覚で知らされた一抹の不安。


「さっき、電話したよね、私に」


依子は咄嗟に言った。



「ああ、間違えてかけちゃったんだよ、リダイアルで。ごめんね」


靖史はきょとんとしながら言った。


「うん、そう。その事を言おうとしてたのに……急にど忘れしちゃって、あれぇ、何言おうとしてたかなって、今思い出してたの」



「そっか、ただの間違いだよ、ごめんね。いやに神妙な顔してたからビックリしたよ」


「ごめん、ごめん。本当に、思い出してただけ」






うん。分かってる。


疑う私が

間違っている。


香水を使っていた昔の私が

いやらしかっただけ。


一瞬、それが、過ぎっただけ。


「お腹は?


大丈夫?」


依子は持ち直した。


依子の毎日 / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
ニジンスキーな海辺、無事に終了しました!  
昨日、ニジンスキーな海辺、無事に終了しました。


作品中、うまくいかなかった部分もあったりして、舞台は生である、とかなり骨身に染みております。


支えてくれたり、応援してくださった皆様のお陰で、今後益々やるべき事が浮き彫りになりました、本当に有難うございます。



私がやらなければならないこと、として感じた事は



まず

自分への体力と精神力作り。

精神力と言っても、メンタルフィジカルな部分。


脳味噌の筋肉を鍛える、みたいなな感じ。


「いつでも新鮮な気持ちで。また、いつでも新鮮な気持ちを引き出せる」や「観客を総立ちさせるぞ、絶対的な強気」みたいなところです。


あとは表現者は

自分しか出来ない表現を持つべきだ、と改めて感じました。
体でも形でも動きでも存在でも。


甘えられるもの全て取っ払って

自分しか出来ない事を高飛車にまずは探るべき


と思いました。



人はいつか死ぬんでしょうから



生きているうちに自分の表現を探すべきで


それが舞台を踏む事と

再認識しました。




アイカワさん、お疲れ様でした、有難うございました。
ダンス / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
本日ニジンスキーな海辺で踊ります。  
今日も晴れました。

ニジンスキーが振付師だって、一昨日知りました。

今年の踊り納めです。


是非来て下さい!


★☆★☆★★☆★☆★★☆★☆★★☆★☆★

■ニジンスキーな海辺で♯2

2011年12月27日(火)
19時開場  19時半開演

・出演: 1部:木檜朱実   2部:根岸由季

・会場:pit北/区域(東京都北区王子1−13−18 東海第二ビル地下1・2階)
  JR京浜東北線 王子駅北口より徒歩2分

・料金:前売り 2000円  当日2500円


このイベントの詳細


http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/black_33.htm


- / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
メリークリスマス!  
今日もまた刺すような寒さでした。そのせいか、体調を崩す人が周りに多い。


私も口にヘルペスできるし、サロンパスを貼ったところが真っ赤にかぶれるし、頑丈な私にすら少し支障が出ています。

加えて、リハーサルで逆立ちをし過ぎて、腰に相当来ています。


明日は毎度助け舟になってる針灸の先生のとこに行こうと思います。


今年はクリスマスっぽい事しなかったな。

妄想くらいだったな、残念。


いよいよ、明後日、12月27日(火)、ニジンスキーな海辺でソロを踊ります。

久しぶりの一人稽古は格別、何やったって良い訳ですから、まぁ、馬鹿みたいに逆立ちばっか練習してます。


皆さんに見て欲しいです。


写真は一昨日の稽古。

全身ボーダー。


人がいないと分別つかんのか。


でも、そんなもんかならと思ったりします。



111223_212746.jpg
- / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
12月27日はニジンスキー!!  
昨日、ダンス勉強会納めでございました。

今年の4月から始めて約10ヶ月、沢山の方に来ていただき、有難うございました。

学んだのは自分の至らぬ点と団体作品への可能性。

来年も1月12日から勉強会初めとなります。

是非遊びに来てください。

そして、平行して続けているソロ作品が来週火曜日にあります。



是非見に来てください!

自由に、挑戦的に、裸に、踊り放ちます。



★☆★☆★★☆★☆★★☆★☆★★☆★☆★

■ニジンスキーな海辺で♯2

2011年12月27日(火)
19時開場  19時半開演

・出演: 1部:木檜朱実   2部:根岸由季

・会場:pit北/区域(東京都北区王子1−13−18 東海第二ビル地下1・2階)
  JR京浜東北線 王子駅北口より徒歩2分

・料金:前売り 2000円  当日2500円


このイベントの詳細


http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/black_33.htm
お知らせ!! / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
今日はラッキー  
まぁ、間に合わないと思った当パン印刷

まぁ間に合わないと思ったコーヒー購入

まぁ間に合わないと思った部屋の掃除

まぁ入れられないと思った自転車置場


全てクリアーして、

今日は生では初チェルフィッチュ、三月の5日間を見に神奈川へ。


安心する、こういう演劇があると。



- / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
横乗り酒場一番  
私の弟、亮君が群馬の藤岡に今夏オープンした居酒屋

『横乗り酒場一番』の詳細です。

メルマガで何か特典やイベント情報が確認出来ます。

お店の住所や電話番号もあるので、群馬在住の方、是非行ってやってください〜


メルマガ→http://yokonori-sakaba.com/
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前回/次回の勉強会  
日差しが清んでいて、気持ちの良い今日です。

一昨日、三枝淳さんの『ダンサーの為のスタッフ塾』に伺って来ました。

ひょんな流れから私の今度のニジンスキーな海辺#2のソロ作品のスタッフ見せをしよう、と言う話になり


二回踊りました。


一度踊り、見ていた人にスタッフ目線で照明や音響の提案をして貰います。

すると、踊り(動き)についても話は及び、どんどんと表現の新しいアイデアが浮かんできます。


私からも何故その動きなのかを伝える。

それを踏まえ二度目を踊る。


また見ていた側がスタッフ目線で提案をする。



作品があり、それをダンサー目線から話をすると『作品を良くするために』、ではなく、『ダンサーとしてどうに踊りたいのか』、と言う話になる事が多い。


提案されて膨らむ事もあるが、結局『意見の相違である』と結末がついたり作品の感想、で終わる事になる。



今回のスタッフ塾でのディスカッションは違った。


買物をしこたました感じ。


早く家帰って、袋開けたい!感じ。

買った物を早く身につけたい!感じ。


前回の勉強会で、私は皆にやって貰う動きについて言葉足らずで

『なかなか伝わらないよな』と少し二の足を踏んでしまいました。



解りやすい事をしていない分、言葉で伝えにくいですが


もっと踏み込んでいきたいと思います。



次回勉強会は

12月22日(木曜)です

場所:松原地区会館です。

(住所:東京都世田谷区松原5丁目17番6号)


先週ダンスタワーが無事に終わり、新しい事を少しづつ始動させていきます。

少しでも興味のある方、是非いらしてください。


プチ忘年会もしたい、と思ってますので、お時間ある方是非。


行き方:小田急線豪徳寺駅徒歩15分・京王井の頭線東松原駅徒歩15分・京王線明大前駅徒歩17分

です(住宅街です)。

明大前駅からの一番分かりやすい行き方は

改札を出て左方向、高架下をくぐり右に曲がる
線路沿いです。
そこにはガストやら飲み屋があります。

右に線路を見つつひたすら細い道をまっすぐ。

すると「大川ボクシングジム」が左側にあります。


そこを越え少しすると左側に京王コインパークがあります。

そこを左に曲がります。

ひたすらまっすぐ。


10分くらい歩くと左側に「松原地区会館」あります。

ちょっと不安になる距離ですが、道筋自体は簡単です。



勉強会内容




18時〜
アンダースタンディングの為のアシュタンガヨガ


19時

リハーサル(内容未定)



動きやすい格好で来てください。

ヨガはせず、リハーサルからの参加でも大丈夫です。



参加費は無料です。


いらっしゃる場合は
一報ください。

chipkicurocks★yahoo.co.jp(★を@に変えてください)


では、参加、是非、お待ちしております!

勉強会 / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
東京ダンスタワー『根岸当番』のYouTube  

12月根岸当番『つとない・・・・』のゲネを撮影したので
YouTubeにアップしました。

3つに分かれてます。

http://www.youtube.com/watch?v=altpnUfJnEg


http://www.youtube.com/watch?v=c4rEDrCL6es


http://www.youtube.com/watch?v=tfmgXbKZvVU

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漫画『ヒミズ』を見て考える  

夜22時過ぎ。

近くのセブンイレブンを通り過ぎると
男はワンカップを手にしながら、社長と話をしていた。


「社長の言うことは分かるよ、でも俺たちにとっては同じ事だったんだよ、かぁ〜今更って何だって話なんだよ」

私には社長は見えない。

男は一人で話している様に見える。


「つぶやいてるんですか?一人でつぶやいてるんですか?今はツイッターと言うものが
ありますよ。いっぱい呟けますよ。気持ちを共感してもらえたらリツイートして貰えますよ」

私は男の頭をブロックで殴った。

何度も、何度も。


いや、そんなことはしない、その男に私は恨みがないからだ。


満員電車の中で私の前にいる女、チラチラこちらを見ている。

痴漢だと思っているのか、それとも、この満員電車で私に押すなと言っているのかな?

「私は女ですよ、ここは満員電車ですよ。あなたの体になんか、興味ありませんよ。だけどね、手を挙げて潔白を訴えるのもおかしいでしょう?私は女なんだし」

女は目白で降りた。


私も後を追って降りた。

持っていたブロックでまたも殴った。

何度も何度も。

いや、そんなことはしない、何故ならその程度で人生を棒にふれないからだ。


犯罪をするかどうかは、紙一重だ。

しかし、そこにいたるには、少々紙が厚い。


もし、自分が犯罪を犯して、それが自分には全く以って正当だとしても
世の中には法があって、捕まるしかない。

しかし、そことは別に、自分の生まれて来た理由がブロックで殴る事だったら、その後、自分自身の終わり方を探そうとするだろう。


漫画家になる夢は良い。


ダンサーとしてやっていくのも良い。


結婚するのも面白いかも。


悪者を退治すると言う社会貢献。


更生出来るかも知れない。



自分が納得いった罪を犯した時、その後の自分はどのように
生まれ変わるのであろう。


生まれてきた理由がないなら、死ぬ理由や、殺す理由も無いのだろうか。



次にすることは最後に自分で選んだこと。

そこに死んだと同然に体を置くことになる。


生きながら死んでいる状態

より、生を感じるかも知れない




毎日が記念日 / comments(0) / trackbacks(0) / 根岸 由季  
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